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【就活コラム】投資銀行編(3) IBDにおけるMust HaveとNice to Have

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はじめに

選考などで求められる資質には、Must HaveNice to Haveの2種類があります。就職活動においては、Must Haveの勝負になる選考とNice to Haveの勝負になる選考がありますが、レベルの高い企業ほど前者のタイプになる傾向があります。なぜなら、レベルの高い企業は、求めてくるMust Haveの水準が高いため、ほとんどの就活生がMust Haveギリギリの水準で戦うことになるからです。トップ層の学生といえど、Nice to Haveまでアピールできる就活生は多くありません。 IBDの選考は、レベルの高い企業の例にもれずMust Haveの勝負になりやすい選考です。一方、大量採用の会社などは、Must Haveの水準が低く、Nice to Haveの勝負になりやすい傾向があります(下例)。

例:
IBDでは、1次面接から最終面接まで、常に志望動機(熱意)が中心にある
コンサルティングファームでは、1次面接から最終面接まで、常にケース面接が行われる
・大量採用の会社のMust Haveは、学歴とSPIの点数だけである

 

IBDのMust Have

IBDの若手には、大きな負担をものともせずに熱心に働き、次々に仕事を覚えていく姿勢が求められます。したがって、代表的なMust Haveは次のようなものになります。 仕事への意欲が高い IBDの業務を好きである必要があります。もちろん、IBDの業務を把握できていないとアピールする段階までたどり着けません。通常、志望動機をとおして「仕事への意欲」もしくは「熱意」が確認されます。

・ストレス耐性がある
ストレス耐性には、ストレスを受けにくい、ストレスの許容量が大きい、ストレスの発散がうまい、という3つの種類があります。少なくとも、何らかのタイプでストレス高い必要があるでしょう。

・成長スピードが速い
要領がよいことや頭が良いことも重要ですが、わからないことをわからないと言える謙虚さなども重要です。もちろん、経済・社会への関心や、純粋な知的好奇心なども成長スピードに影響を与えます。

・信用できそう
金融業は信用で仕事をする業界です。投資銀行部門の例外ではありません。このため、嘘をつかない、秘密を守る、時間を守る、ミスが少ない、身だしなみが良い、といった信用にかかわる要素は非常に重要です。

 

IBDのNice to Have

就活で使われる「スキル」という単語は、Nice to Haveに含まれていることがほとんどです。代表的なNice to Haveは次のとおりです。

・語学力(英語力や中国語力)
・高い学力(高いGPA、留学経験、数学オリンピック出場など)
・行動力(サークル、ボランティア、起業経験など)
・ビジネススキル(ITスキル、金融の知識、長期インターン経験など)
・資格(証券アナリスト試験、公認会計士試験など)
人間性(面白さ、愛嬌など)

Nice to Haveは文字通りあったほうが良いのですが、Must Haveと比べると優先度が落ちます。選考での評価が芳しくない学生は、Nice to Haveのアピールに始終しまっている傾向があります。採用する側としては「優秀なのだろうけれど、IBDへの熱意がないんだよね」という方向性の評価となるのです。文字通りですが、Must Haveが足りていないと、どれだけNice to Haveがあっても採用はされません。

 

会社ごとの違い

企業によっては、英語力や金融の知識をMust Haveととらえているケースもあります。

したがって、上にあげたMust Haveは「全社共通のMust Have」であり、上にあげたNice to Haveは「企業によってはMust Haveでないもの」だといえます。ただし、IBDの採用数は多くないので、企業を絞って対策をするのは危険です。

職種単位の対策(IBD対策)を済ませておけば、あとは素直な自分を見せているだけで「どこかしらのIBD」から内定は獲得できます。会社に合うかどうかは会社側が判断してくれますので、安心してIBDの対策をするのがよいでしょう。

 

まとめと補足

IBDの選考は、選考全体が「Must Haveの精査プロセス」といった性質になっています。選考中は、Must Haveを自己アピールの中心において、Nice to Haveを補助的に使うといった意識を持ちましょう。 もちろん、面接で聞かれたことにこたえるというのは大切です。唐突に「私は熱意があります」などといっても意味はありません。あくまで、熱意をくみ取ってもらえるような話をできるように、自分の経験や価値観を整理しておきましょう。


また、Must Haveは「簡単」という意味ではないことに注意してください。要領の良さを鍛えるのは、ちょっとした資格を取得するよりも格段に難しいことです。Nice to Haveに始終するのが、ある意味ではそういった訓練からの逃げであることを認識して、地道にMust Haveを鍛えましょう。