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【就活コラム】投資銀行編(11) 投資銀行部門の典型的な採用プロセス

外資系証券の選考は、企業ごと・年度ごとに異なるだけでなく、1人1人で内容が異なります。知識を武器にしてきたなら知識を問う質問に、地頭をアピールしてきたなら地頭を試す質問に、というように志望者によって質問の傾向が変わります。評価によっては面接の回数や人数すら異なります。

このため、ここに書くプロセスは代表的な例にすぎないということを念頭において読んでください。

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全体の選考フロー

大雑把には、下記のような選考になっていることが多いです。

エントリーシート
・筆記試験
・リクルーティングチームによる面接
・オフィサーによる面接
・ジョブ
・MDによる面接

 

各ステップでの要点
最も重要であるESを中心として、各ステップの重要事項をまとめると次の通りです。


エントリーシート
志望動機は、全選考プロセスの中で最も重要です。80%の志望者はESで不採用になりますし、ESは最初から最後まで利用されるからです。また、IBDの選考自体が「IBDへの熱意を試すプロセス」という性質を持っていることも、志望動機が最も重要であるゆえんです。

ESで重要なのは、1. 日本語の正しさ、2. わかりやすさ、3. IBDへの最適化、の3つです。 意外に感じる人もいらっしゃるかもしれませんが、ESで落ちる人の大部分は「てにをは」を正しく使えていません。自分は大丈夫だと過信せず、日本語ライティングに長けた人(たとえば新聞部の友人や作家志望の友人など)に添削をお願いするのも大切です。

また、採用担当のバンカーは、通常業務の合間を縫ってESを読みます。このため、急いで読むこともありますし、眠い中読むこともあります。そんな状態でも正しく伝わるような、わかりやすいESを書くことを心がけましょう。 IBDに最適化されていないESは基本的に落ちます。IBDに最適化できているかどうかは、「他業界に出したら落ちそうか?」で確認するのがおすすめです。商社に出したら落ちそうか?コンサルに出したら落ちそうか?官公庁で言ったら嫌な顔をされそうか?を確認してください。「コンサルに出しても通りそうだな」と感じたら、おそらくESを読むバンカーも同じことを考えているでしょう。

 

筆記試験
TG-Webまたは玉手箱に加えて、会社独自の筆記試験の一般的です。ボーダーは高くないので、落ちた場合はESやその他に問題があったと考えるのが無難です。

リクルーティングチームの面接
若手によって構成されたリクルーティングチームによる面接です。やや加点方式の面接で、「なんとなく光るものがあった学生」が次の選考に進みます。最低限度の業務理解と長所さえあれば、難なく通過するでしょう。

オフィサーの面接
最も厳しいプロセスで、どちらかというと減点方式の面接です。志望動機その他について掘り下げる質問が多く、業界理解や知識を問う質問も増えてくるほか、圧迫的な面接もあります。志望動機や自己アピールのほころびや業界理解の甘さは、きちんと追究されます。

ジョブ

3日間ほどのインターンシップ形式の選考です。基本的には「面接がうまいだけの学生」を落とすための選考ステップです。これまでの努力や仕事能力がワークを通して確認されます。楽しそうにワークに臨むかどうかも重要で、つまらなそうにしていると「仕事もつまらないと感じるだろうな」と思われる可能性が高いです。

MD面接

社風に合っているか、辞退しなさそうか、頑張ってくれそうか、などが総合的に評価されます。この段階でも2~3倍の倍率であるのが一般的ですので、油断はしてはいけません。このプロセスで最も重要なのは「自社の社風に合っているか」であるため、2~3社のMD面接に進めれば、その中で最も自分に合っているところから内定をもらえるのがふつうです。

まとめと補足

ESを甘く見ている学生はまず採用されません。とにかく妥協なくESを仕上げましょう。例年似たような設問が課されるので、就活サイトなどから昨年度のESを確認して、エントリーが開始する前から書き始めておくのも有効です。

一方、ESさえきちんと書いてしまえば、あとはそれを伝えるだけです。ただし、面接を通して志望動機などをブラッシュアップする意識を持っておくとよいでしょう。ES通過に必要な志望動機のクオリティと、MD面接で通用する志望動機のクオリティは異なります。