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【就活コラム】投資銀行編(5) 区別すべき金融の基礎用語

今回のコラムでは、覚えておくべき金融の専門用語に関して解説してあります。

本ブログで何度も記載している内容ですが、投資銀行を目指すにあたっては、付け焼き刃の知識では役に立ちません。基礎的な知識をおざなりにせず、確実にインプットしておきましょう。

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用語を正しく使うべき理由

専門用語というのは、複雑な意味や厳密な定義をたった数文字で表せる便利なコミュニケーションツールです。

多忙なバンカーは、積極的に専門用語を使うことで、日々のコミュニケーションを簡略化しています。専門用語に慣れきっている状態なのです。このため、バンカーとの会話で専門用語を使うと、自然と「複雑な意味や厳密な定義」を伴った内容だと認識されます。
これが意味することは、仮に就活生にその気がなかったとしても、専門用語と同じ文字列であれば、専門用語だと認識されるということです。しったかぶりがいけないだけでなく、知らずに用語と同じ文字列の言葉を発するのも危険だということになります。
こういった事情から、バンカーと適切にコミュニケーションをとるためには、重要な金融用語をきちんと把握しておく必要があります。

この記事は、特に重要な用語を挙げて、今後の勉強の参考にしてもらうことを目的としています。

 

経理と財務

経理とは、会社における取引履歴や税金計算などの庶務のことです。
財務は、資金調達やその運用、予算管理など業務のことです。

事業会社でM&Aや資金調達を担当するのは財務部門であり、IBDで身につくのは財務のスキルです。 面接などで「経理のスキルをつけたい」というと、「この人は何を言っているんだ?」という顔をされるでしょう。冒頭に書いたとおり自然と用語だと認識されるので、「ああ、財務と間違えているんだな」と思ってもらえる可能性は低いです。

 

買収と合併

買収とは、売り手企業が買手企業の傘下に入ることです。
合併とは、2つ以上の会社が1つの会社になることです。
東芝メディカルはキヤノンに「買収」されてキャノンメディカルとなり、新日本製鉄住友金属新日鐵住金へと「合併」しました。

M&Aは、買収や合併のほかにも合弁や出資といったさまざまな「資本関係の構築」を含むことがあります。インターンなどで「M&Aにおいて~」というような質問をすると、「M&Aの何において?」と思われる可能性が高いです。買収なのか合併なのか、第三者割り当てやジョイントベンチャーなのか、そういったことを明確にしてコミュニケーションをとるようにしましょう。

 

企業価値と株式価値

企業価値とは、株主と債権者にとっての企業の価値です。
株主にとっての価値は株式価値債権者にとっての価値は負債価値と呼ばれます。
消費者や政府から見た価値ではありません。

ジョブなどにおいては、扱う数値が企業価値なのか株式価値なのかを明確に区別しなければなりません。もちろん、株式価値・負債価値・企業価値など以外の意味で「価値」という単語を使うのは誤解のもとです。

 

株式価値と時価総額

株式価値とは、株式の理論的な価値や本源的な価値を指します。
時価総額は、実際に市場で取引されている株式の価格を指します。

バリュエーションで求めるのが株式価値であり、株価から求めるのが時価総額です。
また、株価と「1株当たりの株式価値」も区別する必要があります。
株価は株式の価格のことですが、偶然にも価格と価値の1文字目が同じであるため、「株式の価値」を株価だと誤解している学生が散見されます。

 

支配権プレミアム

サマーインターンなどでも使用される割に、定義が複雑な単語です。

株式部分に対する買収金額と時価総額の差を指します。買収プレミアムは、買収金額の債券部分にはかかりません。また、DCF法や類似取引比較法から得られる株式価値は支配権プレミアムを含んだ株式価値ですが、マルチプル法(類似企業比較法)や市場株価平均法で求められる株式価値は支配権プレミアムを含みません。 このように、やや難解な部分のある用語なので、詳しく調べてしっかりと理解しておきましょう。

 

まとめと補足

実務家は、間違った意味で用語を使っているとは想定してくれません。用語を使うからには、正しい意味をしっかり把握する必要があります。また、わからない用語は、意識して使わないようにしないと、つい「たまたま同じ文字列」で用語でない内容を表現してしまう可能性があります。このため、時間と相談しながら知識をつけることは重要です。

たとえば、以下の用語などを調べてみてください。
会計、財務会計、収益、利益、キャッシュフロー、簿価、時価、事業価値、株式交換、公開買付 Depreciation, Amortization, EBIT, 営業利益

【就活コラム】投資銀行編(4) 中途採用の候補者との差別化

多くの外資系証券では、新卒採用よりも中途採用のほうが活発です。このため、新卒採用の選考においても、中途採用の候補者と比べられているということを意識しなければなりません。

今回の記事では、新卒採用のほうが有利な点を整理して、アピールすべき点とアピールすべきでない点をまとめています。是非、参考にしてくださいね!

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中途採用の候補者の前職

まず、最も多いのは同業内の転職です。どの外資系証券も、最も多いのは日系証券からの転職でしょう。

日系証券からの転職の場合、業務経験が3年未満であればアナリスト1年目として転職するのが一般的です。3年以上の業務経験がある場合は、案件経験などを考慮して、アナリスト2年目以降で入社することになります。トップティアの証券会社からの転職の場合は、一切のディスカウントなしで転職できることもあります。

同業以外からの転職で最も多いのは、監査法人FASからの転職です。次に多いのは、IBD以外の金融専門職とメガバンクからの転職です。弁護士事務所や商社出身の人も稀にいますが、そのほかは例外的だといってよいでしょう。同業以外からの転職の場合、よほどのことがないかぎりアナリスト1年目からの入社になります。

 

中途採用の候補者を意識すべき理由

前節で最も重要な事実は、中途採用であっても原則としてアナリスト1年目としての入社だということです。すなわち、証券会社から見ると、新卒で採用しても中途で採用しても、入社してくるのは1年目のアナリストなわけです。

このため、新卒採用と中途採用は常に平等に比較されます。新卒採用の候補者、つまり学生であっても、中途採用の候補者を意識すべき理由はここにあります。

それでも新卒採用を行う理由

就活生の中には、「それなら全員中途採用でいいんじゃないの?」という疑問を持つ方もいらっしゃるでしょう。

それでも新卒採用を行う理由は単純で、中途採用の候補者よりも優秀な大学生が存在するからです。 新卒で外資系証券に採用される学生は、新卒で監査法人や銀行に入社する学生と比べて地頭がよく、学習能力が高い傾向があります。

若いこともあって体力面でも優れているのがふつうです。さらに、語学力やPCスキルは、実務経験とはあまり関係がありませんし、社風に合わせる能力などについては実務経験がむしろ邪魔になることすらあります。 このように、社会人3~5年目と比べてなお優秀な学生が一定数おり、こういった学生を採用するのが、外資系証券における新卒採用の主な目的です。

 

伝えるべきことと伝えるべきでないこと

 以上を踏まえると、ESや面接、ジョブを通してアピールすべきこととアピールすべきでないことが見えてくるでしょう。

アピールすべき点

単純に言えば、入社後に成長できることを伝えます。

・素の能力(地頭や学習能力)が高いこと
・社風に合っていること
・会社のやり方に合わせる能力が高いこと
また、入社後にキャッチアップできる準備があることを伝えるのもよいでしょう。

・とにかくモチベーションが高いということ
・最低限度の実務の知識を持っていること
・実務経験と無関係な知識が豊富であること(語学、IT、科学など)

 

アピールすべきではない点

最もアピールしてはいけないのは、「周囲の学生と比べた優秀さ」です。大学生の中で優秀なのは当たり前なので、アピール材料にはなりません。このほか、知識を武器にするのは危険です。

・会計士に劣る会計の知識
弁護士に劣る法律の知識
・銀行員に劣る金融の知識

知識があること自体は好ましいことですが、上のような水準の知識は、武器にすることはできないと考えておきましょう。

 

まとめと補足

外資系証券では中途採用が中心であるため、中途採用の候補者よりも優秀であることをアピールする必要があります。

また、伝え方は非常に重要です

「私には金融の知識があります」は禁句であっても、「関心があったので少し勉強しました」なら問題ありません。サークルの代表をやったという経験なら、「ほかの学生にできないことをやりました」ではなく「学生らしいことも一応やりました」というニュアンスがよいでしょう。このようなアピールであればマイナスになることはありませんし、伝え方と伝える文脈が良ければプラスになることもあります。

【就活コラム】投資銀行編(3) IBDにおけるMust HaveとNice to Have

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はじめに

選考などで求められる資質には、Must HaveNice to Haveの2種類があります。就職活動においては、Must Haveの勝負になる選考とNice to Haveの勝負になる選考がありますが、レベルの高い企業ほど前者のタイプになる傾向があります。なぜなら、レベルの高い企業は、求めてくるMust Haveの水準が高いため、ほとんどの就活生がMust Haveギリギリの水準で戦うことになるからです。トップ層の学生といえど、Nice to Haveまでアピールできる就活生は多くありません。 IBDの選考は、レベルの高い企業の例にもれずMust Haveの勝負になりやすい選考です。一方、大量採用の会社などは、Must Haveの水準が低く、Nice to Haveの勝負になりやすい傾向があります(下例)。

例:
IBDでは、1次面接から最終面接まで、常に志望動機(熱意)が中心にある
コンサルティングファームでは、1次面接から最終面接まで、常にケース面接が行われる
・大量採用の会社のMust Haveは、学歴とSPIの点数だけである

 

IBDのMust Have

IBDの若手には、大きな負担をものともせずに熱心に働き、次々に仕事を覚えていく姿勢が求められます。したがって、代表的なMust Haveは次のようなものになります。 仕事への意欲が高い IBDの業務を好きである必要があります。もちろん、IBDの業務を把握できていないとアピールする段階までたどり着けません。通常、志望動機をとおして「仕事への意欲」もしくは「熱意」が確認されます。

・ストレス耐性がある
ストレス耐性には、ストレスを受けにくい、ストレスの許容量が大きい、ストレスの発散がうまい、という3つの種類があります。少なくとも、何らかのタイプでストレス高い必要があるでしょう。

・成長スピードが速い
要領がよいことや頭が良いことも重要ですが、わからないことをわからないと言える謙虚さなども重要です。もちろん、経済・社会への関心や、純粋な知的好奇心なども成長スピードに影響を与えます。

・信用できそう
金融業は信用で仕事をする業界です。投資銀行部門の例外ではありません。このため、嘘をつかない、秘密を守る、時間を守る、ミスが少ない、身だしなみが良い、といった信用にかかわる要素は非常に重要です。

 

IBDのNice to Have

就活で使われる「スキル」という単語は、Nice to Haveに含まれていることがほとんどです。代表的なNice to Haveは次のとおりです。

・語学力(英語力や中国語力)
・高い学力(高いGPA、留学経験、数学オリンピック出場など)
・行動力(サークル、ボランティア、起業経験など)
・ビジネススキル(ITスキル、金融の知識、長期インターン経験など)
・資格(証券アナリスト試験、公認会計士試験など)
人間性(面白さ、愛嬌など)

Nice to Haveは文字通りあったほうが良いのですが、Must Haveと比べると優先度が落ちます。選考での評価が芳しくない学生は、Nice to Haveのアピールに始終しまっている傾向があります。採用する側としては「優秀なのだろうけれど、IBDへの熱意がないんだよね」という方向性の評価となるのです。文字通りですが、Must Haveが足りていないと、どれだけNice to Haveがあっても採用はされません。

 

会社ごとの違い

企業によっては、英語力や金融の知識をMust Haveととらえているケースもあります。

したがって、上にあげたMust Haveは「全社共通のMust Have」であり、上にあげたNice to Haveは「企業によってはMust Haveでないもの」だといえます。ただし、IBDの採用数は多くないので、企業を絞って対策をするのは危険です。

職種単位の対策(IBD対策)を済ませておけば、あとは素直な自分を見せているだけで「どこかしらのIBD」から内定は獲得できます。会社に合うかどうかは会社側が判断してくれますので、安心してIBDの対策をするのがよいでしょう。

 

まとめと補足

IBDの選考は、選考全体が「Must Haveの精査プロセス」といった性質になっています。選考中は、Must Haveを自己アピールの中心において、Nice to Haveを補助的に使うといった意識を持ちましょう。 もちろん、面接で聞かれたことにこたえるというのは大切です。唐突に「私は熱意があります」などといっても意味はありません。あくまで、熱意をくみ取ってもらえるような話をできるように、自分の経験や価値観を整理しておきましょう。


また、Must Haveは「簡単」という意味ではないことに注意してください。要領の良さを鍛えるのは、ちょっとした資格を取得するよりも格段に難しいことです。Nice to Haveに始終するのが、ある意味ではそういった訓練からの逃げであることを認識して、地道にMust Haveを鍛えましょう。

【就活コラム】投資銀行編(2) 投資銀行部門の対策

IBDのサマーインターンはレベルが高く、例年実力を発揮できないまま終えてしまう学生が少なくありません。他領域と見ながら投資銀行を志望していた学生や、他の活動と並行しながら進めていた学生は、時間がない中で膨大な量の対策が必要になってしまいますよね。

今回のコラムでは、時間がない中で集中してキャッチアップすべき内容を提示致します。同期との差に焦ることも多いと思いますが、着実に1つ1つクリアしていきましょう!

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はじめに

IBDの対策は膨大で、似たような職業である公認会計士への対策と同程度といえるでしょう。IBDはあくまで金融専門職ですから、コンサルティングファームのようにポテンシャル重視の採用ではないといえます。このため、付け焼刃の対策でどうにかできるものではありません。

しかし、対策が不十分な方の中にも、IBDを諦めきれないという方はいらっしゃると思います。 本記事では、「3か月間でできることをする」をコンセプトに、直前の追い込み方法を説明しています。少しでもIBDから内定を得られる可能性を上げるために、できることをやっていきましょう。


3ヶ月で出来る対策

面接では、志望動機と仕事能力が確認されます。志望動機というのは「熱意」と表現されることも多いです。また、仕事能力というのは、最低限度のコミュニケーションスキルや、PC作業などの事務処理能力を指す場合が多いです。


①志望動機の補強
IBDの選考で最も重要なのは熱意です。明確な志望動機をもとに、「私はこんなにもIBDに入りたいと思っている」と伝える必要があります。

しかし、対策時間が短い場合はIBDと他業界を十分に比較できておらず、「〇〇業界じゃダメなの?」に対応できない傾向があります。下記の本を読んで、他職ではいけない理由を整理しておきましょう。

特によく聞かれるのは「バイサイドじゃダメなの?」「コンサルじゃダメなの?」の2つです。 志望動機の中で「グローバル」や「裁量」という単語を使うと「商社じゃダメなの?」と聞かれる可能性が高くなり、「社会のため」や「日本のため」などというと「官僚じゃダメなの?」と聞かれる可能性も高くなります。


投資銀行業界大研究(証券会社全般)
投資銀行青春白書(投資銀行部門)
投資信託の舞台裏(資産運用会社)
野村證券第二事業法人部(セールス)
・超一流アナリストの技法(リサーチ)
・日本国債暴落(トレーダー)
・この1冊ですべてわかる コンサルティングの基本(コンサル)

2日に1冊くらいのペースが目安です。おそらく、ほかの職種には「こういうところが嫌だ」という部分があると思いますから、それらをシンプルに伝えられるように整理しておけば大丈夫です。

 

②金融知識の補強

金融の知識がゼロなのに「金融業に興味があります」というのは、野球のルールを知らないのに「趣味は野球観戦です」というようなものです。経済ニュースを読んでいないのは、「最後に野球を見たのは1年前です」と言っているようなものです。

このため、最低限度の知識は持っていないと、評価されるされない以前に理解すらされません。最低限度の知識をつけるには、証券外務員のテキストがおすすめです。証券外務員は、金融業界における運転免許のようなもので、働くために必ず必要となる簡単な資格です。

証券外務員のテキストのうち、下記のセクションを読んでおきましょう。合計しても数十ページです。また、ほかのセクションは不要です。

・株式会社法概論
・経済・金融・財政の常識
・財務諸表と企業分析

面接では知識を確認する質問をされることがありますが、このレベルが答えられないと、「最近興味を持ったのでまだ勉強中です」というような言い訳すらできないので、確実にこなしておきましょう。

 

③ジョブ対策

ジョブでは事務処理能力などがチェックされます。グーグル検索、エクセル、パワーポイントについてそれぞれ最低限度の知識を持っておきましょう。勉強の仕方に困ったら、下記の本を読んでおくのがおすすめです。

外資系金融のExcel作成術
外資系コンサルが実践する 資料作成の基本

また、ジョブで使うフレームワークのうち「類似企業比較法」だけはできるようにしておきましょう。それほど難しいものではありませんから、予備知識によりますが、十数時間の勉強でも基本は理解できるはずです。

 

④その他

就活生が甘く見がちなのが、面接やジョブでの身だしなみです。

男性の場合、ネクタイを正しく結んで、自立カバンを持ち、髪をセットして、黒のハイソックスを履き、靴を磨いておきましょう。だいたいの就活生は1つくらい欠けています。対策をしている人と比べると遅れをとっているわけですから、こういうところではわずかな減点も許されません。


まとめと補足

繰り返しますが、選考において最も大切なのは熱意です。

ほかの候補者は、IBDへの熱意を「努力」という行動で示しています。努力してこなかった分は遅れをとっているので、できることをすべてやって、少しでも内定の可能性をあげましょう。

【就活コラム】投資銀行編(1) 投資銀行部門対策の正攻法

これまでの就活コラムでは、コンサルティングファームに関して連載を行なってきましたが、いかがでしたか?

今回は投資銀行編に移ります。事前の準備が内定の可否に大きく関わる業界です。投資銀行を志望業界として検討している学生は、是非早い段階から対策を始めましょう。

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はじめに

この記事は、以下にあてはまる就活生を対象としています。

・大学2年生時点でIBDに絞っているなど、IBD対策に多くの時間を割ける就活生
投資銀行業務に対する理解や、IBDに必要なスキルセットを強みにしようとしている就活生

当たり前の話ですが、対策はすればするほど有利になります。IBDの選考で最も求められるのは、IBDへの熱意ですが、勉強をしている学生は「熱意があるから勉強をしている」と評価してもらえる可能性が高いです。他方、勉強をしていない学生は「勉強もしていないのに熱意があるといわれてもなあ」という評価になりがちです。

要するに、知識が直接的に評価されるわけではありませんが、勉強量をとおして熱意をアピールできるため、対策をすると確実に有効になります。

 

勉強のための勉強

何から始めてよいのかわからない場合がほとんどでしょうから、まずは勉強のための勉強をしましょう。 経済小説などを読んで投資銀行部門のイメージを固るのがおすすめです。これらの本を面白いと思えるかどうかは、IBDの業務が面白いと思えるかどうかの確認にもなります。ただし、これらの本は「昔の投資銀行」を描いていることが多いため、最新の業務内容とは少し違うということを、頭の片隅に置いておくとよいかもしれません。
【推薦図書】
・巨大投資銀行
・獅子のごとく
・トップレフト

次に、金融の基礎知識をつけましょう。基礎知識があると今後の勉強がスムーズになります。
【推薦図書】
・財務3表一体理解法
・ざっくりわかるファイナンス
これらは勉強のための勉強ですから、焦る必要はないものの、あまり時間をかけすぎないようにしましょう。

 

金融の知識を身につける

買収や資金調達においては「企業の価格」を算定するプロセスがあります。これをバリュエーションと呼びます。IBDインターンシップでは、簡易的なバリュエーションを行うワークがありますので、バリュエーションの知識を持っておくことは重要です。バリュエーションには様々な手法がありますが、インターンシップの時点では、類似企業比較法とDCF法について基礎的な理解があれば十分です。
【推薦図書】
・財務諸表分析
・ゼロからわかる読み方・活かし方
・道具としてのファイナンス
企業価値評価実践編
外資投資銀行のエクセル仕事術

また、バリュエーションは書籍化されていない部分も多いので、わからないことが出てくるたびに調べる習慣をつけておくとよいでしょう。実際に、エクセルなどを操作しながら勉強をする習慣をつけるのも大切です。

 

近隣領域を理解する

IBDは事業会社と投資家の間に立って仕事をしますから、それらについて知ることでIBDの業務への理解も深まります。

①資本市場への理解
IBDは投資家ともかかわるので、資本市場への理解は必須です。IBDを志望する学生の多くは、資本市場への理解がないので、この部分についてしっかり理解できていると差がつきます。
【推薦図書】
・超一流アナリストの技法(セルサイドリサーチ)
投資信託の舞台裏(資産運用会社)
・投資される経営、売買される経営(資産運用会社)
・生涯投資家(アクティビスト; 企業価値に対する理解も深まる)
・成功する海外M&A 新10の法則(リーガルアドバイザー)

 

②事業会社について
IBDのクライアントとなる会社についての理解を深めましょう。クライアントに提案をするためには、クライアントの業務について最低限度の理解が必要です。このような業界理解は、サマーインターンのワークなどにおいても非常に役立ちます。 ほとんどのビジネス書が有用ですが、業界の変化・変遷を描いた書籍が特におすすめです。以下に参考書籍を挙げます。

【推薦図書】
FIG分野
-ドキュメント銀行(銀行の再編について)
TMT分野
-孫正義の焦燥(テレコム・テクノロジー)
-拡張するテレビ(メディア)
GIG分野
-アマゾンと物流大戦争(運輸・小売)
-誰がアパレルを殺すのか(アパレル)
-鉄のあけぼの(重工業分野)

 

まとめと補足

小手先の対策に逃げるのは簡単ですが、それでは内定を獲得できる可能性は上がりませんし、ミスマッチを防ぐこともできません。正攻法で金融と対峙して、面白さを感じられるかを確かめてみてください。 また、対策量が多いと感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、似たような分野の専門職である公認会計士と同程度の勉強量だと考えていただくのが良いでしょう。もっとも、試験以外の評価項目も多いぶん、会計士よりも少しハードな就職活動になると思いますが、そのぶん給与は高く、将来の選択肢も豊富な傾向があります。

当たり前のことですが、知識的な対策だけでなく、志望動機のブラッシュアップやウェブテストの対策など、小手先の部分についても妥協のないようにしましょう。

 

最後に

投資銀行は、他の業界以上にサマーインターンが重要となってくる業界です。とはいえ、早期から何を対策すべきなのか迷いますよね。5月の投資銀行コラムでは、小手先のテクニックではなく、「正攻法」を記載しています。着実に1つずつクリアしていけば、必ず納得感を持って就活を終えることができますよ。
1人で不安な方は、ぜひ一緒に頑張って行きましょう。

 

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【就活コラム】事業会社編(4) 事業会社の選考フロー

今回は、事業会社の選考フローは何が存在するのかについての理解を深めましょう。

事業会社は、多くの会社と同じような選考フローが存在します。エントリーシート、グループディスカッション、面接、インターンなど、選考別に意識しておくべきことを事前にキャッチアップしてから臨むように心がけましょう。

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一般的な選考プロセス

事業会社から内定をもらう場合は本選考とインターン経由の大きく2つのパターンが存在します。本選考においては、事業会社の選考ステップには各社違いがあるものの、以下の様なフローを取ることが一般的です。

まずはオンライン上の登録フォームから基本情報を入力し、エントリーシート(ES)を提出します。ES通過後、筆記試験もしくはWebテストを受験し、これに通過した学生は面接(グループディスカッションの場合も有り)に臨みます。面接は3,4回行われるのが一般的で、面接を乗り越えた学生は最終的に役員面接に呼ばれ、内定をもらうことができます。

インターン経由だと、夏や秋、冬に数日間のインターンに参加し、インターンで優秀な成績を残すことで、個人的にリクルーターがつき、食事会に呼ばれることもあります。その過程で本選考に有利な状況を得ることが出来ます。そして、再度役員面接等を行い、内定をもらうことができます。


ES及び筆記試験について

事業会社が学生に課すESについて、一般的に文字数は少なめ(200~300文字程度)です。

テーマは自身の経験や自己PRなどから、「無料でできるビジネスを考えてください」などビジネスリテラシーを問うものも存在します。ESでは、自分が絶対に伝えたいこと、その後の面接で深掘りしてほしいことをバランスよく記述しましょう。
この人に会ってみたいと思わせるために、表面上のことよりも一つのエピソードを具体的に記述するのが良いでしょう。自分らしさを出すことができれば及第点です。


面接について

面接では学生と人事(事業部長などの可能性もあります)が1対1で面接を行うことが多く、学生時代に力を入れたことや失敗したことといったオーソドックスなものから、雑談めいたものまで、総合的なコミュニケーション能力が試されます。

事業会社の中では、なぜそれをやるのか、といったwill(意思)の部分が重要視されることが多いため、自己分析を重点的に行い、過去の自分の意思決定がどのような価値観に基づきされていたのかなど、徹底的に深掘って行く必要があるでしょう。

 

インターンについて

事業会社では、インターンとして新規事業立案を課されることが一般的です。企業によっては、すでに市場が与えられていたり、自社で新規事業を行う場合など条件が与えられているものから、まさにゼロの状態から企画を立案するものまで多岐に渡ります。

最終日には、チームで考案した新規事業を役員人などの審査員にプレゼンすることで順位がつき、優勝したチームには賞金や優勝会食がつくなどの報酬が存在する企業もあります。ちなみに、企業によっては
採用戦略を立案せよ、といったように新規事業立案じゃない場合も存在します。

 

最終選考について

事業会社の最終選考は、人事部長や役員、社長との1対1での面談です。ここをクリアすることで内定を獲得することができます。インターンで優秀な成績を残し、人事ともすごく仲良くしていただいた場合でも落ちることは多いため、最後までインターンを通じて自分が学んだことを整理するなど、PDCAを回す姿勢を怠らずに臨みましょう。

 

補足

事業会社では、0からプロダクトを作っていくだけの「熱意」や「覚悟」が強く求められます。面接やインターンで優秀なところをアピールしようと気負いすぎると、縮こまってしまい、「覚悟」をアピールできず損をしてしまう可能性があります。事業会社のインターンで、100点か0点で良いと思って自分らしさを前面にだす方が良い方向に転がるかもしれないですよ。

【就活コラム】コンサル編(13) コンサルに向く人・向かない人

例年、多くの学生がコンサルティングファームを志望しますが、コンサルは全ての学生にとって理想的なキャリアとは限りません。今回のブログでは、スキルセット、モチベーション、キャリアプアンといった観点から、コンサルへの適性について紹介いたします。

 

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スキルセット的適性
戦略コンサルは一見華やかで高給な職業に思えますが、必ずしも全員に最適な選択ではありません。
当然個々人によって向き不向きがありますので、本コラムでは筆者の考える戦略コンサルタント適正の要件を三つの観点からまとめています。

まずはスキルセットについて。
戦略コンサルに入社する者は新卒であっても即戦力を期待されており研修期間もたった1ヶ月と大変短いです。配属されるプロジェクトも2〜3ヶ月ペースで変わり、またポジションが上がれば複数の案件を同時にこなす様にもなります。

迅速な成長が求められる労働環境ゆえ、戦略コンサルタントには自ら進んで学習し成長するタイプの人、限られた時間及び機会の中で試行錯誤を繰り返しながらパターン認識する能力の高い人、マルチタスクを並行して高速度で処理できる能力に長けた人が向いていると言えます。これらは一般的に外資系企業で求められる人材要件であり、一つのことに集中してじっくり取り組む事に長けた人や丁寧な指導を受けて成長するタイプ人には相性が悪いかもしれません。

 

モチベーション的適性
戦略コンサルとしてのキャリアを考える上で大事な点が、”バリュー・ベース”です。

戦略コンサルタント年俸制であり、日系企業で一般的な時間給という概念はありません。年棒に見合ったパフォーマンスを残すことが期待されているのであり、努力量は評価の対象にはなりません。どれだけの時間量を投下しようと、結局は自身の提案にクライアントが満足出来なければコンサルタントとしての価値はゼロになります。

自分のアウトプットが評価されるか全くわからない不安の中でモチベーションを保てるか、努力量に関係なく成果物のみで自身が評価される環境に身を置けるか、自らに問いかけて適性を判断してみるとようでしょう。

 

キャリアプラン的適性
自身が将来的にしたい仕事、成し遂げたい事から逆算した際に戦略コンサルというキャリアが逆に遠回りになることも往々にしてあります。

戦略コンサルはあくまで提案することが仕事であり、自分でビジネスを動かす経験は積めません。故に起業意識が強い人であれば事業会社やスタートアップが適切な場合も多く、また幅広い業界を見られるという戦略コンサルならではの長所も、既に携わりたい分野が決まっている人にとっては無駄になってしまう可能性があります。

一方で、将来的に企業の経営企画室やPEファンド等、経営のプロの道に進みたい人にとっては戦略コンサルというキャリアは正に近道と言えるでしょう。また、海外PhDやMBAを取得することも視野に入れている場合外資系戦略コンサルに勤めた経歴は選考の際にアピール材料となりますので、キャリアの選択肢の一つとして検討してみてはいかがでしょうか。

 

最後に

就職活動では、つい「憧れ」で志望を選んでしまいますが、それ以上に大切なことが「適性」です。自分が本当にその職業に合っているのか、幅広い観点から確かめて見ることも重要ですよ。NEXVELでは、客観的な視点から、みなさんの適性を判断しアドバイス致します。1人ではどうしても主観的に適性を判断してしまいがちだと思いますので、是非担当スタッフに頼ってくださいね。

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