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【就活コラム】投資銀行編(6) 投資銀行業務の基本

投資銀行の仕事はBtoBであり、商品は無形のサービスです。このため、中途半端な勉強では志望動機を整理するのはおろか、業務のイメージすらできません。

業務を知るためには、実務家に質問をしたり経済小説を読んだりするのがおすすめです。しかし、まったく勉強をしていない状態では、経済小説を読んでも何を言っているのかわからないという状態になる可能性があります。 この記事では、勉強のための勉強として、IBDの業務に対する基礎知識を提供しています。

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投資銀行部門の構造

投資銀行部門は、カバレッジチームという業界別のチームと、プロダクトチームという商品別のチームに分かれています。

カバレッジチームは、金融法人グループ、一般事業法人グループなどの5~6個のチームに分かれているのがふつうです。プロダクトチームは、M&Aチーム、株式チーム、債券チームの3つに分かれています(下図)。カバレッジチームは横断的な担当範囲、プロダクトチームは縦断的な担当範囲となります。 たとえば、消費財メーカーがM&Aを行うときは、一般事業法人グループとM&Aアドバイザリーグループが協力して案件を進めます。インターネット企業がIPOをするときは、TMTのカバレッジチームと株式のプロダクトチームが案件を担当します。

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※ TMTは、Telecom, Media, and Technologyの略で、通信会社や広告・メディア企業、半導体メーカー、インターネット企業などを担当するカバレッジ

 

投資銀行部門のプロダクトは3つ
社債による資金調達

IBDでは最も多い案件で、収益源となっています。

事業会社や金融法人など(以下、発行体)が社債を発行する際に、過去の案件や投資家へのヒアリングを踏まえて、利息や調達可能な金額についてのアドバイスを行います。このほか、社債を購入する意思のある投資家を探したり、投資家と発行体の間のミーティングをアレンジしたりします。

若手バンカーは、市況データのまとめや過去の案件の要点の整理に加えて、ミーティングの日程調整、(海外投資家とのミーティングのための)航空券や宿泊場所の確保などを行います。

 

株式による資金調達

IBDで最も収益率が高い案件で、IBDの象徴的なプロダクトです。

IBDは、株価の変動や市況、株主の性質、株式の流動性などを考慮したうえで、新規株式の発行可能な額や発行タイミングなどについて、発行体にアドバイスをします。特に、新規株式公開(IPO)の案件は、既存の株価や出来高が存在しないため、IBDが「妥当な価格」その他の条件を決定するうえで重要な役割を担います。重大なIPOを担当できることは、投資銀行にとっても非常に名誉あることとされています。

若手バンカーは、市況や過去の案件についての整理、投資家とのミーティングの設定、バリュエーションモデルの作成などを行います。IPOにおいては、IPOに必要となる膨大な資料を準備するのもバンカーの役割です。
 

 

M&A

子会社化や合併、第三者割当、合弁など(以下、M&A)も投資銀行のプロダクトの1つです。

IBDは発行体に対して、交渉の戦略や株主の説得方法、株式の妥当な価値、契約書の作成などについてアドバイスを行い、買い手(売り手)候補を探します。IBD以外のアドバイザー(法律事務所や監査法人、コンサルなど)を統括する役割も担っており、法律事務所などに連絡すべきタイミングや頻度などについてもアドバイスも行います。

若手バンカーの仕事は、交渉のための情報の整理、資料の作成、他のアドバイザーとの連絡、ミーティングの日程調整、バリュエーションモデルの作成などです。

 

まとめと補足

投資銀行部門の業務は、感覚で分かるようなものではありませんから、先行までに時間をかけてしっかりと勉強しておきましょう。その際、投資銀行が何をやっているのかではなく、投資銀行の従業員が何をやっているのかに注目するとよいでしょう。

また、M&Aについては、コンサルティング会社などがアドバイザーとなるケースもありますが、そういった会社の業務内容はIBDとは異なります。OB訪問などをする場合には、必ずIBDの社員を訪問するようにしましょう。